エニスの概要

主な見どころ

観光案内所

宿泊施設

銀行

郵便局

電話

インターネットカフェ

エニスの水道水

スーパー

車事情

おすすめ散策コース

夜道を歩く時

エニスのおもしろ歩き方

やっぱり音楽


Custy's Traditional Music Shop(本店)

エニス気まま散策


カスティーズのお店がある町、エニス(Ennis)。アイルランド音楽の好きな人なら誰もが一度は訪れる、アイルランド西部に位置するクレア州最大の町です。

・・・が、来てみるとその小ぢんまりとした町並みに拍子抜けしてしまうかもしれません。アイルランドには首都のダブリンをはじめ、コークやリムリックなどの大きな町がありますが、これらはみな英語では「City」と呼ばれ、エニスのような小さな町のことは「Town」と呼ばれます。「エニス」と名のつく住所はかなり広範囲で、郊外は主に住宅地ですが、ここではエニスの中心エリアを散策してみようと思います。また、電話や銀行などに関する一般的な情報にも言及してみました。旅のお役に立てればと思います。



聖パトリックの日のエニス、オコンネル広場の様子


エニスの概要

どれぐらい小ぢんまりしているかというと、まず大型のデパートやマンションはなく、同じような2階建て、3階建ての建て物が通りを連なる典型的なアイルランドの町並み、メインストリートは町の中心に位置するオコンネル広場から分かれている4本・・といった具合です。チェーン店と並んで個人経営のお店もまだまだ頑張っていて、注意深く歩いていると同じ顔ぶれを見かけることも多い、そんなローカルな雰囲気があります。

最近ではEU圏の国々から移り住んでいる人、語学学校に通う学生さんやナイジェリアなどアフリカからの移民の人たちが増えて、エニスの町もかなり国際色が豊かになりました。それでも、生まれも育ちもエニスという生粋のエニスっ子や、ご近所さんと一緒に教会に通うご婦人たちの姿はもちろん健在で、観光目的でない普段着のアイルランドの様子を楽しむことができます。



最も近い空港はシャノン(Shannon)空港で、ここからエニスまでは車で30分ほどの距離です。また、エニスの人たちがショッピングに出かける大きな町として、リムリックがこちらも車で30分ほどの距離のところにあります。

エニス(ENNIS)の語源はアイルランド語で「島」という意味のINIS(イニシュと発音)から来ています。町中を横断するように流れる「ファーガス川(River Fergus)」の中腹にあった島からこの名が付けられました。しかし、語源とはいくつかの候補があるのが常で、INISには「川沿いにある牧草地」という意味もあるとか・・・。どちらが本当なのかは分かりません。
エニスはもともとマーケットタウン(市場町、とでも訳すのでしょうか)として栄えた町で、今でもオコンネルストリートからマーケットストリート(Market Street。大型スーパー、ダンズストアの入り口の目の前から出ている通りです)に入ると、マーケットと呼ばれる広場があって、毎週土曜日に市場が開かれています。売られているものは主に野菜ですが、一昔前まではニワトリや豚などの家畜もここで売られており、周辺の村々から農夫たちが売買のために集まりました。また春から秋にかけては金曜日にも小規模な市場が開かれています。こちらは「ファーマーズマーケット」と呼ばれ、有機野菜や卵、ジャム、パン、チーズなどちょっとおしゃれな商品が並びます。





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主な見どころ

特に大きな観光施設はありません。町の中心部にエニスフランシスカンアビー(Ennis Franciscan Abbey)という修道院跡があり、しいて言えばここが唯一の観光施設でしょうか。入場料を払って中に入ると、1200年代(13世紀)に建てられたカトリック修道院が目の前にそびえ立ちます。大規模とは言えませんが、イングランドの征服によってほとんどのカトリック系修道院や教会が破壊されたことを考えると貴重な建築物の一つです。

また、町には教会が6つあります(そのうち5つはカトリック、1つがプロテスタントの教会)。教会はここに暮らす人々の大切な宗教施設ですが、観光客の立ち入りが禁止されているわけではありません。お祈りをしている人や司祭たちの邪魔にならないよう、静かに拝観するだけであれば例えキリスト教徒ではなくとも入ることができます。教会内の像やステンドグラスは美しいものですし、これを機にカトリック教について調べてみるのもいいかもしれません。




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観光案内所(Tourist Information Office)

カスティーズの以前のお店があったフランシスストリートに、フランシス教会という大きな教会があります。エニスの観光案内所はちょうどこの教会の裏手にあり、ミュージアムも併設されています。カウンティークレアだけでなく、他のカウンティーの観光案内のパンフレットや地図も販売されていますし、アイルランドならではのおみやげ物も置いてあります。



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宿泊施設

中級のホテルがいくつかとホステルがひとつ、B&Bはあちらこちらにサインを見かけます。よっぽど大規模なフェスティバルやイベントがない限り、宿泊先は当日に直接連絡をとっても空いているようですが、旅行前にオンラインで予約をしておくのが安全でしょう。また、B&Bの場合は冬のシーズンに営業していないこともありますので事前にチェックが必要です。

長期滞在希望の観光客に人気なのが、ホステルです。2009年3月にリニューアルオープンしたローワントゥリーホステル(Rowan Tree Hostel)は、エニスの中心に位置する大型ホステルです。キッチン、トイレ、シャワーは共有で使うことができ、部屋は複数のベッドのあるドミトリーと呼ばれる大部屋が中心ですが、とても安価でドミトリーなら一晩20ユーロ以下で宿泊できます。また、バスルーム付きのプライベートの部屋も用意されているので、他の人と同じ部屋に寝るのに抵抗がある方はこちらをおすすめします。


川沿いにたたずむローワントゥリーホステル。
オリジナルの建て物の雰囲気を壊さず、美しく改修されました




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銀行

オコンネル広場周辺に4つほど主要な銀行があります。また、24時間キャッシュが取り出せるバンクマシーンもあちこちにあります。
ときどき日本からのお客さんでトラベラーズチェックを持ってくる方がいらっしゃいますが、アイルランドではこれはほとんど使えません。銀行で現金と交換をして使うことは可能のようですが、一般のお店で買い物をしようとしても受け取ってもらえないことがほとんどだと思います。「トラベラーズチェック?何それ?」と言う人もいるぐらいですから、全く普及していないと言っていいでしょう。クレジットカードは、ビザかマスターを用意しておくと問題なくどこでも買い物ができます。但し、個人経営のB&Bや小さなよろずやなどでは現金のみの扱いがほとんどですので、現金は少なからず必要です。



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郵便局

郵便局はビンドンストリート(Bindon Street)沿いにあり、窓口が5つほどある大きなものです。郵便局の表の壁に二つの郵便ポストの口があり、一つは「カウンティークレア内」、もう一つは「その他」となっていますので、エアメールなどの場合はすべてこの「その他」に投函します。この他にも小規模の郵便局が町中に数軒あります。
エニスには「この郵便ポストものすごく見かけが古めかしいけど、まだ使われてる?」と疑いたくなるようなポストがいくつかありますが、知る限りでは全て現役ですのでご安心を。
また、切手は郵便局だけでなくニュースエージェント(News Agent)と呼ばれる新聞や駄菓子を扱う小さなお店で買うこともできます。このニュースエージェントは町中にいくつもありますので、聞いてみるといいでしょう。


古めかしい緑のポスト。
よく見るとイングランドのポストを緑に塗って使っている。現役です




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電話

アイルランドでも、今では子供から大人まで(?!)携帯を持っているのが当たり前になりました。日本では公衆電話が減って探すのが大変という話も聞きますが、エニスではかなり頻繁に公衆電話を見かけます。コインでもかけられますが、これもやはりニュースエージェントで購入できるテレフォンカードがあると便利です。国際電話用のカード(International Phone Card)があれば、これでアイルランド国内にもかけられますので最も効率的です。料金は日本への通話が6〜8セント(10円前後でしょうか)など、非常に安いので毎日かけても心配ないぐらいです。
最近は日本からご自分の携帯電話をアイルランド旅行に持ち込む方が増えているようです。

また、アイルランドで長期の旅行、もしくは短期間でも1年以内にまた戻ってくることを考えていらっしゃる方には、現地で携帯電話を購入するという手もあります。現在アイルランドには主に3つの携帯電話会社があり、エニスの町にもこの3社の販売店が営業しています。大手はヴォーダーフォン(Vodafon)でここの携帯を入手すると087から始まる電話番号がもらえます。続いてオーツー(O2)が086、ミーティアー(Meteor)が085という番号です。購入は簡単で、販売店のいずれかに行ってプリペイド式の電話がほしいのですが、と言うだけです。アイルランドに住んでいなくても問題なく、ニュースエージェントや郵便局、銀行などでチャージをして使います。



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インターネットカフェ

町を歩いていると、「インターネットカフェ」と書かれた看板をよく見かけます。たいていのお店では日本語入力ができるようですので日本の家族や友達にメールを打つ時や、日本語で検索したい時などにとても便利です。

また、これはカフェではありませんが、ローマ字入力のみならエニスの図書館も便利です。たとえエニスに住んでいない旅行者であっても、図書館のパソコンは無料で使うことができますので活用しましょう。受付の係員にパソコンを使いたいことを伝えると、パソコンが空いている場合はすぐに番号札を渡され、自分の番号の付いたパソコンへ進みます。(但し制限時間つき)待っている人がいる場合は、リストに名前を記入するように言われます。順番が来たら係の人が呼んでくれます。図書館は、アビーストリート(AbbeyStreet)を下って橋を渡り(下は川)、そのまままっすぐ歩いてローワントゥリーホステル(Rowan Tree Hostel)を左手に過ぎてしばらく行くと、同じく左手にあります。



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エニスの水道水

2006年からクレアの役所が管理しているはずの水道水に雑菌が混入し、残念ながら今でもこの水の問題は解決していません。役所は「煮沸させれば飲むことは可能」としていますが、町の人々の多くはスーパーなどでミネラルウォーターを買って飲み水としているのが現状です。シャワーや手を洗うなどという際にはまったく問題ありませんが、おいしいお茶を飲みたい場合はエニスの水道水はお勧めできません。。
この水道水の問題はアイルランド各地で起こっており、特にエニスとゴールウェイで深刻です。アイルランドをご旅行の際は、その土地の水が安全かどうか念のため尋ねてみるといいかもしれません。



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スーパー

ダンズストア(Dunnes Store。オコンネルストリートにあります)、テスコ(Tesco。フランシスストリートにあります)という二つの大型スーパーがあります。食料品だけでなく、石鹸やシャンプー、文房具、風邪薬や絆創膏など軽度の医薬品も置いてあるので便利です。また、ダンズストアは衣料品と生活雑貨も扱っており、これがなかなかセンスも良く良質で人気があります。
また、ドイツ系のアルディ(Aldi)というスーパーがテスコの正面にあります。食品やティッシュペーパーなどの日用品が更に安価で購入できます。



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車事情

アイルランドのどの町に行っても同じですが、エニスもまた町中の車道が全て一方通行です。これは昔からの町並みが守られている証拠で、古い写真を見るとこの車道に昔は馬車が行きかっていたことが分かります。
レンタカーで移動する方は、多少のコツが必要かもしれません。例えばT字路にいて、目の前の通りの反対側にあるわき道に入りたいのに、その通りが左折しかできない一方通行のために、町をぐるりと一周してこなければならないということがよく起こります。
また、町中で車の速度を出せないように、段が設けてありますのでご注意を。そうでなくともアイルランドでは人がよく車道を横断しますので、周りを常に確認していましょう。道の反対側に渡りたい人に、運転手が指で「渡りなさい」と合図をして道を譲っている光景をよく目にします。こんなゆとりが町中では必要のようです。
また、近年の経済成長の余波で車の数が急増したアイルランドは、渋滞が大きな問題になっています。ここエニスもその例にもれず、夕方は仕事帰りの車で、週末は買い物客で町中の通りはかなりひどい交通渋滞となります。一度入ると抜け出せませんので気をつけましょう。



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おすすめ散策コース

エニスの町の中心を流れるファーガス川(River Fergus)沿いをのんびり散歩してみてはいかがでしょう?水量がたっぷりの美しい川で、白鳥や鴨などの渡り鳥が羽を休める様子も楽しむことができます。また、橋から覗くとときどき魚の姿も見られます。昔はエニスの子供たちが夏になると飛び込みをしたり魚を捕って遊んだりしたそうです。
また、この川沿いには大きな水車があります。昔は小麦粉などを挽くために使われ、エニスの人々の生活には欠かせないものでした。現在では観賞用となっていますが、今でもこの水車の周辺には当時の面影を残す古い倉庫風の建物がいくつか残っており、レンガ造りの風情ある建築物を堪能できます。


エニスの顔、ファーガス川




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夜道を歩く時

外食やパブで音楽を楽しむ時には、どうしても夜道を歩きます。エニスは決して治安の悪い町ではありませんが、暗くなったらなるべく大きな通りを歩くようにしましょう。人通りの少ない路地などは、たとえ近道であっても避けてください。特に週末の夜はお酒の量も増えて、混乱が発生しやすくなります。声をかけられたりしても取り合わないこと、貴重品はしっかり持つようにしてください。
また、アイルランドは町中で街灯がついていても、日本のような明るさはありません。



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エニスのおもしろ歩き方

ここ数年間のアイルランドは経済成長が目覚しく、人々の暮らしも急速にモダン化しました。エニスの町もこれにもれず、チェーン店を中心に町全体が現代的な風景に変わりつつあります。「田舎の情緒が残る古めかしいアイルランドを見に来たのに・・」と少しがっかりする方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。そこで、おすすめのエニスの歩き方を紹介します。通りを連なるお店をガラス越しに眺めるのもいいのですが、やや視線を上向きにして、建物の2階部分や屋根、煙突に注目してみましょう。と言うのも、これらの建物はどれもゆうに築100年は経っており(中には200年以上前から建っているものもあります)、屋根や煙突部分は当時のままの古めかしい赤レンガや、今にも崩れてきそうな瓦が使われているのです。すきま風がびゅうびゅう入ってきそうな、信じられないぐらい小さな窓がちょこんと付いていたり、一つの建物に何本も煙突が付いているのを見て建物の中の暖炉の数を想像したりするのは面白いものです。

ふと視線を上げるとこんな風景が




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やっぱり音楽

クレア州には、バレン高原やモハーの崖など観光名所もあるため、エニスを拠点に動く観光客の人たちがたくさん来ます。昼間は車やバスで観光を楽しみ、夜はエニスで夕食、そして夕食の後に待っている楽しみが、なんといってもパブでの音楽です。
CDでしか聴いたことがなかったあのミュージシャン、まさか会えるとは思ってもいなかったあの素晴らしいミュージシャンたちの演奏を、エニスの町ではパブで楽しむことができます。
パブによって始まる時間が違いますが、ほとんどが夜9時前後から12時前後までです。人気のあるセッションの場合は立ち見が出るほど混むこともありますので、座ってゆっくり楽しみたい方はお早めに。おいしいお酒を片手にあなたも音楽に聴き入れば、聴いてくれる人がいればいるほど調子よくなるミュージシャンたちも、きっと更に演奏に熱が入るはず!



観光客の人たちを除いて、音楽を目的にパブにやってくる顔ぶれはいつも決まっていることが多いもの。そんな音楽好きと話すきっかけがあったら、情報交換をしてみるのも手です。もちろんカスティーズに足を運んでくだされば、町のパブセッション情報を教えてくれるはずですよ。



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